次回の動画投稿は9月19日(木)前後を目安にお願いします。最終期限は9月26日(木)となります。
前回、書いたポイントは良い感じで改善されています。脚の挙げ方も、ひとまず、無理の無い感じで出来ているので良いと思います。この脚の上げ方は「ピッチャーズハイキック」でも練習出来ますが、練習すれば感覚が磨かれて行くので、ハムストリングスや腸腰筋のストレッチを行ないながら、モノにしていって下さい。ピッチャーズハイキックで膝が胸につくようになるのは、ハムストリングスの柔軟性が必要です。また外国人の投手を見て、イメージを掴んで行く事も重要です。
今回、フォーム的に気になるのは、これは以前「手を身体に近づける事でハムストリングスが使える」と書いたからなのですが、肘まで身体に付けてしまう事によって、背中がペシャンコになってしまっている事です。
こうなると、胸椎が後弯しないので、脊柱のS字カーブが不十分になるので、骨盤が前傾しにくく,逆にハムストリングスが使いにくくなります。
図)肩甲骨の外転と胸椎の後弯の関係
ですから、下の写真のように、肘は身体の前に出す事で、肩甲骨を外転させた方が良いです。手首を前に出し過ぎると良く無いと言う事です。
前回、書いたポイントは良い感じで改善されています。脚の挙げ方も、ひとまず、無理の無い感じで出来ているので良いと思います。この脚の上げ方は「ピッチャーズハイキック」でも練習出来ますが、練習すれば感覚が磨かれて行くので、ハムストリングスや腸腰筋のストレッチを行ないながら、モノにしていって下さい。ピッチャーズハイキックで膝が胸につくようになるのは、ハムストリングスの柔軟性が必要です。また外国人の投手を見て、イメージを掴んで行く事も重要です。
今回、フォーム的に気になるのは、これは以前「手を身体に近づける事でハムストリングスが使える」と書いたからなのですが、肘まで身体に付けてしまう事によって、背中がペシャンコになってしまっている事です。
こうなると、胸椎が後弯しないので、脊柱のS字カーブが不十分になるので、骨盤が前傾しにくく,逆にハムストリングスが使いにくくなります。
図)肩甲骨の外転と胸椎の後弯の関係
ですから、下の写真のように、肘は身体の前に出す事で、肩甲骨を外転させた方が良いです。手首を前に出し過ぎると良く無いと言う事です。
この事とも関係ありますが、構えた時の立ち方で良い姿勢を掴むための方法を紹介します。まず、腰を反って腸腰筋をストレッチし、その反動で股関節が僅かに屈曲(今のピッチングの構えくらい)し、胸椎が後弯、膝が緩んだ姿勢を作ります。図には書いてませんが、手もピッチングの構えの位置に起きます。目線はやや下に落として、荷重は踵よりの3点支持です。ややこしければ、「胸椎の後弯と膝の緩み」の2点を意識すれば良いでしょう。後はそれに付随して着いて来ると思います。この体勢で、踵小刻みステップ(踵で小刻みに、素早く地面を叩く)が出来るはずです。
とりあえず、今回、フォーム的な事については以上ですが、平田さんの場合、投手、特にプロ野球の投手として見た場合、小柄な部類に入ると思います。また、体形的にもどちらかと言うと,ショートとかセカンドみたいな感じです。
投手の場合、基本的には背は高くなくても、手足の長い、痩せ型体形が多くなると思います。こうした手足の長いタイプの場合、指も長いでしょうから、指先でスピンをかけるのに有利で、スピンのかかった、いわゆるキレの有るボールを投げて来ます。
ダルビッシュの場合、腕は短いですが、変化球バイブルに載っている手の原寸写真を見ると、やはり手はかなり大きいです。こうした投手と争って行く上で、同じように「スピンのかかったキレの良い球」で勝負しようとしても勝てないでしょう。それも重要な要素ですが、+アルファあるいは別の方法が必要になると言う事です。
動画)手足が長く、スピンの効いた球を投げるクレイ・バックホルツ。このタイプだと、それほどハムストリングスを上手く使えなくても球速が出る。
ただ、平田さんのような体形には、体幹で生み出した力が末節に伝わるのが速いと言う長所が有ります。リッキー・ヘンダーソン等は、その典型でしょう。このタイプは体幹の力が強ければ、凄いスピードを発揮出来ると言う長所が有ります。ですから、こうしたタイプは、体幹、下半身の力を強化し、スピン量の少ないぶんをカバーしていかなければ、なりません。
動画)リッキー・ヘンダーソン 骨盤の前傾が凄い。かなり腸腰筋が強かったと推察される。
それが出来た場合、どういう球になるのかと言うと「キレの良い球」の対極にある「重い球」です。腕のムチの長さを使えなくても、ハムストリングスが上手く使えて、身体の移動を上手く使える投手の球は重いストレートになります。
ケルビン・へレーラ等は、まさにそのタイプですが、ホセ・バルベルデやジョニー・クエトもそういうタイプです。彼等は腕のムチはあまり使いませんが、その代わり体幹の力を使う事で、重いストレートを投げています。この事を極めて行けば、手足の長い投手に勝つための武器として使えるでしょう。因に、彼等の投げる球が若干放物線を描くのは、いわゆる「スピンの綺麗なバックスピンストレート」では無いからでしょう。
※)あくまでも私見ですが、「軽い」球は、おおしにしてバックスピンで、マグナス力が働くので沈まずに直進性が高いのですが、初速と終速の差が出ます。一方、「重い」球は、たいてい、回転がバックスピンでは無い感じです。そのぶん、マグナス力が働かずに、沈みますが、重力に逆らわずに沈む事もあって、初速と終速の差は小さいです。どちらにしても、基本的な力が有れば良い球になり得ます。
ホセ・バルベルデ
ジョニー・クエト 0.22〜 0.33〜(93マイル) 0.52〜(94マイルのライジング気味のストレート)
なので、ハムストリングス、大臀筋、そして腸腰筋を中心とした下半身の力と、体幹の力を強化して行く事で、上記のような「重いストレート」を目指して行く必要があります。
もちろん、肩、肘をやわらかく回して、スピンをかける使い方も非常に重要なのですが、それを極めただけでは、限界が有ると言う事です。(バックホルツのようなタイプと比較すると)
ただ、体幹を鍛えると言っても、一般的な「腹筋」「背筋」はかなりやっても、さほど効果は有りません。(やった事が有るので、解ります。)
かと言って、バーベルを使ったウェートトレーニングは、肩、肘の故障を含めたデメリットの方が気がかりです。
そこで何をやれば良いのかと言うと、まずやはり、ラボで行なっている塚口式の股関節トレーニングを徹底的に行なって下さい。もちろん、テーマは「腸腰筋 ハムストリングス 股関節の割れと絞り」です。重いバットを振るのも良いですが、時期的には、実技の細かい感覚に及ぼす悪影響が懸念されます(振り過ぎると、前腕の筋肉が張って、指先の感覚が鈍ったり、走らなくなる)から、今は股関節のトレーニングを中心にすると良いでしょう。
もちろん、股関節トレーニング等も、試合前日などにやり過ぎると、筋肉が回復する前に試合になると言う事は有りますが、だいたいの場合、大丈夫です。逆に言うと、試合前に、多少やっても大丈夫なように普段から鍛えておく事が重要になるのです。
今の平田さんの今のフォームは、平均的な日本の投手より、フォロースルーでの重心移動は強いですが、理想と比べると、まだまだ、重心移動の力が弱いです。手足が長く、指でボールにスピンをかけて、キレの有る球を投げようと言うタイプなら、今くらいの重心移動で充分です。しかし、平田さんの体形で、体幹の力を使って、重い球を投げて行こうと考えると、もっと重心移動が強くなる必要があります。
「投げるリッキー・ヘンダーソン」
これを目指していってください。
今回は以上です。
0 件のコメント:
コメントを投稿