2013年9月8日日曜日

分析003

次回の動画投稿は9月15日(日)前後を目安にお願いします。最終期限は9月22日(水)です。



まず、脚の挙げ方に問題が有ります。難しい部分が有るので、ブログでは敢えて書かないでいたのですが、これ以上の球速を求めようとすると、避けて通れない問題です。

ノーラン・ライアンはピッチャーズバイブルの中で、「トム・ハウスは爪先を下げて脚を挙げろと言っているが、私は爪先を挙げた方が良いと思う。」と書いています。

爪先を下げて前脚を挙げると、爪先からの着地になりやすい事は事実でしょう。これだと、どうしても着地は弱くなり、それが原因で前脚の膝の角度も変わってしまう可能性があります。


そもそも、なぜ爪先が下になるのかと言う事ですが、平田さんの場合、脚を挙げる時にセンター方向に重心移動しようとして、無意識で足首で蹴っているのです。この動きは、足関節の底屈と言いますが、腓腹筋を使います。腓腹筋が収縮すると、膝が曲がるので、前脚を挙げる時に、腓腹筋が収縮すると、膝が曲がり過ぎて大腿四頭筋を引っ張り、大腿四頭筋が収縮します。こうなると、着地後にハムストリングスが使いにくくなる事などが考えられます。そうすると、着地後に前脚で体重を支える力が弱くなるでしょう。
一般的には、膝を畳もうと意識する事で腓腹筋が収縮し、爪先が下になる事が多いと思いますが、平田さんの場合は、後ろに重心移動しようとして、足関節の底屈を使っているのが原因だと思います。

前脚の挙げ方は、下の動画のような挙げ方にした方が身体の力を使えます。これは、ピッチャーズハイキックと同じ動きです。

コツとしては前脚の足首で蹴らないようにすることです。足首を底屈させずに、角度を保ち、蹴らずに外すような感覚で挙げる事と、より体幹に近い、股関節、骨盤を使って脚を挙げる事です。膝は股関節の屈曲に伴い、ハムストリングスが伸張するので、その伸張反射で勝手に曲がるのは、ピッチャーズハイキックと同じです。ですから、膝は意識して曲げる必要はありません。なお、後ろに重心移動しようとして、蹴る事で足首が底屈しているわけですから、もう少し「抜いて脚を挙げる」感覚を追求した方が良いでしょう。ただし「抜き」になり過ぎて、全く「乗せ」が無くなると、後ろ脚のパワーが出なくなるので、そのさじ加減は自分で見つけて下さい。いずれにしても、抜く感覚にした方が下図のような脚の挙げかたは、やりやすくなります。

ただし、この脚の挙げ方をした時、一つだけ気になるのは、動きがダイナミックになるので、バランスを崩して制球が乱れないかどうかと言う事だけです。これが、書くことを躊躇して来た理由ですが、球威を出したいなら、この脚の挙げ方は必須です。

次に、もう一つ気になるのは、指をグラブから出すクセです。これをすると、指でグラブを押さえるのがクセになって、逆にやらないと違和感を感じるようになるものですが、これをやると、前腕部などの末端部が力に易くなるので、直した方が良いクセです。



指でグラブを押さえると、前腕部の筋肉、特に手の甲側の筋肉が緊張すると思います。その前腕部の手の甲側の筋肉は、手首を背屈させる筋肉です。

投球腕が下に下がった時、手首が背屈しているのも、左右の腕が無意識に同調しているからかも、しれません。

下の下げた時の手首は、写真のような掌屈気味か、あるいは真っすぐの方が良いです。その方が、ボールを下に残して、肘から挙る形が作りやすくなります。もちろん、意識的に強調したらダメですが、要は、そうなるように、グラブの中に手が有るうちから、前腕部が力んで手首が背屈しないように、気をつけておいた方が良いと言う事です。


テークバックでの腕の回転が良い投手と言うのは、基本的に手が下がった時に、手首が背屈していない方が多いでしょう。下の3人も、その例です。

アロルディス・チャップマン

チャーリー・ファーブッシュ

フランシスコ・ロドリゲス

まとめ

脚の挙げ方を研究、練習した方が良いでしょう。この脚の挙げ方をするには、ハムストリングスの柔軟性や腸腰筋を使える事が重要になります。ハムストリングスのストレッチや腸腰筋のトレーニングを行なうと共に、ピッチャーズハイキックで練習すると良いでしょう。JHETTさんがほぼ完璧(手と脚がぶつかる部分以外は)に出来ているので、動画を参考にしてください。

脚の挙げ方については、時期的に難しいモデルチェンジかもしれませんが、現状の平田さんの状態と、ノーラン・ライアンの形を両極端と考えると、少しでもノーラン・ライアンの形に近づけるようにしていってください。

また、グラブから指を出すクセを無くした方が良いです。その方が、末端から体幹に意識がいきます。それと同時に、投球腕が下がった時に、手首が背屈しないように、構えた時の手首の形などを考えた方が良いでしょう。

今回は、以上です。

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